ナレーションと音楽を排して食糧の生産現場を見せつけた「いのちの食べかた」や、夜に活動する人々を描いた「眠れぬ夜の仕事図鑑」などを手がけてきたドキュメンタリー作家のニコラス・ゲイハルター監督が、世界70カ所以上におよぶ廃墟の姿を捉えたドキュメンタリー。高度経済成長を支えたマンモス団地をはじめ、かつては人でにぎわったテーマパーク、劇場など、人間の手によって作り出され、利用され、やがて放置されて朽ちていく世界の廃墟の数々を、ナレーションや字幕などによる説明、音楽を排し、人間の姿も一切登場させず、美しい映像とともに切り取っていく。「軍艦島」の呼び名で知られる長崎の端島など、日本の廃墟も映し出される。(C)2016 Nikolaus Geyrhalter Filmproduktion GmbH